土と語る、森の中の美術館 兵庫陶芸美術館 The Museum of Ceramic Art, Hyogo

展覧会情報

会期:2017年3月4日(土)~2017年5月28日(日)

特別展丹波焼と三田焼の粋を集めて-森基コレクションの名品-


 実業家森基(もり・はじむ)氏は、兵庫県下で製作された代表的な古陶磁である丹波焼(兵庫県篠山市)と三田焼(同三田市)に魅せられ、50年以上にもわたり精力的に収集しています。

 丹波焼は、平安末期(12世紀後半)に始まりました。室町時代までは壺・甕(かめ)・擂鉢(すりばち)という実用品を製作し、室町後期から江戸初期には、徳利や茶道具も新たに製品に加わりました。それらは明るい赤茶色に焼き上がった土肌や、焼成中に薪の灰が降りかかって溶けた、緑色の自然釉(しぜんゆう)が見所となっています。江戸前期には、「赤土部(あかどべ)」と呼ばれる赤茶色の化粧土が登場し、江戸後期には白い化粧土を用いたもの、さらにその上に赤や緑の絵付けを施したものが登場するなど、様々な装飾技法を柔軟に採り入れました。

 三田焼は、宝暦年間(1751~64)に志手原窯(しではらがま)が開かれたのが、その始まりとされています。寛政11年(1799)には、三田の商人神田惣兵衛が出資し、三輪明神窯(みわみょうじんがま)が開かれました。その際に招聘された、京都伏見の陶工で人形師でもある欽古堂亀祐(きんこどうかめすけ)によって、土型で成形する技術が導入されました。緑色の釉薬が施された青磁の作例は、三田焼の代名詞となっています。他にも青い顔料で文様を描いた染付、赤や緑の絵付けを施した色絵など、様々な技法が駆使されています。

 本展では、森氏のコレクションから丹波焼77点と三田焼82点を選りすぐり、参考作品も合わせた計164点を紹介します。なお、本展は当館のみでの開催となります。

展覧会の特徴

(1)コレクター秘蔵の逸品を一挙公開

 森氏のコレクションは、これまで当館や他館で開催された陶磁器の企画展や書籍などで部分的に公開されていますが、そのうちの丹波焼と三田焼合わせて160点近くの作品を一堂に公開するのは、今回が初めてとなります。そのなかには未紹介の珍しい作例も含まれています。

 

(2)丹波焼と三田焼の入門編

 森氏のコレクションには、丹波焼と三田焼それぞれの特徴を明快に示す作例が満遍なく含まれています。従って、それらを展示することで、丹波焼における装飾技法の歴史的変遷をたどることや、三田焼の代名詞となっている青磁に止まらない、染付や色絵などの絵付け技法を駆使した豊富なバラエティーを紹介することが可能となります。本展は、このような丹波焼と三田焼の基本的な特徴を知って頂く入門編ともなります。

 

(3)当館のみでの開催

 本展は当館の単独自主企画展であるため、今回の出品作品を一堂に観覧できるのは、当館での会期中に限られます。

概要

展覧会名 丹波焼と三田焼の粋を集めて-森基コレクションの名品-
Masterpieces of Tamba ware and Sanda ware from the Hajimu Mori collection
会期 2017年3月4日(土)~2017年5月28日(日)
休館日 月曜日
ただし3月20日(月・祝)は開館し、3月21日(火)は休館。
開館時間 4月1日から5月28日まで:10時~19時
*ただし4月29日から5月5日までは10時~21時
(入館はいずれも閉館の30分前まで)
出品点数 164点
会場 兵庫陶芸美術館 展示棟 展示室1、2、4、5
観覧料
  個人
Individual
団体
Group
夜間(17:00~)
Evening
一般
Adult
¥1,000 ¥800 ¥500
大学生
University/College
¥800 ¥600 ¥400

一般1,000(800)円、大学生800(600)円、高校生以下無料

 *( )内は特別割引および20名以上の団体割引料金です。

 *70歳以上の方は半額になります。

 *障害のある方は半額、その介助者の方1名は無料になります。

 *17時以降に観覧される場合には、夜間割引料金になります。

 *特別割引券はローソンチケット・ミニストップ(Lコード55872)セブンイレブン(店頭マルチコピー機セブンチケットより)で5月27日(土)まで販売。
 ・Group : 20 or more people.
 ・Free admission for  High / Junior high / Elementary school students and Preschool-age children.
 ・Half price for visitors aged 70 or older. (Show identification proving your age)
 ・Half price for visitors with disabilities, and free admission for one accompanying person.
  (Show identification notebook for the disabled)
 ・Evening: from 5:00 p.m.
 ・discount tickets on sale until May 27 (Sat.), 2017.
 ・discount tickets are available through Lawson Tickets (Lawson and Mini-stop, L code: 55872), Seven Tickets (Seven-Eleven).
  (These service are only available in Japanese.)


主催
兵庫陶芸美術館 神戸新聞社
後援
兵庫県、兵庫県教育委員会、篠山市、篠山市教育委員会、丹波市、丹波市教育委員会、三田市、三田市教育委員会、(公財)兵庫県芸術文化協会、(公財)兵庫県国際交流協会
協力
丹波立杭陶磁器協同組合

主な出品作品

  1. 丹波 壺 室町時代前期 個人蔵
  2. 丹波 大徳利 桃山時代 個人蔵
  3. 丹波 白泥鉄絵鶴文浮徳利 江戸時代後期 個人蔵
  4. 三田 青磁桐鳳凰文盃洗 江戸時代後期 個人蔵
  5. 三田 染付唐獅子牡丹文皿 江戸時代末期~明治時代 個人蔵
  6. 三田 色絵鶴図鉢 江戸時代末期~明治時代 個人蔵

関連企画

【受付終了しました】「釉薬づくりに挑戦!~私の三田青磁~」

  • 日時:平成29年4月22日(土)13:30~16:00
  • 場所:兵庫陶芸美術館 工房、展示棟
  • 定員:20名
  • 参加費:2,500円
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トークショー「私の蒐集物語-丹波焼と三田焼への愛を語る-」

  • 日時:2017年4月29日(日・祝)14:00~15:30 (開場は13:30)
  • 講師:森基(もり・はじむ)氏
  • 場所:兵庫陶芸美術館 研修棟1階 セミナー室
  • 定員:110名(事前申込制)
  • 参加費:無料(ただし観覧券が必要です)
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当館学芸員によるギャラリートーク

2017年3月11日(土)、3月25日(土)、4月8日(土)、4月22日(土)、5月6日(土)、5月20日(土)

いずれも11時より1時間程度(観覧券が必要です)

図録

210×297mm  188ページ   ¥1800(税込)

A4版

*展覧会初日より会場にて販売。

 


同時開催

テーマ展:かわいいやきものわきあいあい

2017年3月4日(土)~2017年5月21日(日)

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