近年、当館にご寄贈いただいた小野寺玄(1934-2016)、吉川周而(1947-2020)、アキオ・タカモリ(1950-2017)という三人のベテラン作家の作品をご紹介します。
北海道釧路市出身の小野寺は、東京の文化学院で陶芸を始め、陶芸家の北大路魯山人(1883-1959)に師事。1962年に神奈川県大磯で独立しました。土の研究に熱心で、1972年、珠洲古陶に心打たれ、燻し焼き(炭化焼成)を追求しました。その後、白から黒へ繊細なグラデーションをつけた《炭化練上》で新境地を拓き、独自の作風を築きました。
大阪府大阪市生まれの吉川は、京都市立芸術大学で陶芸を学び、陶器メーカー勤務を経て、1977年に兵庫県三田市で独立。1980年頃から立体作品を発表し始めます。1990年代にかけては、色鮮やかな低火度釉や金彩を駆使した装飾的な作品を手掛けますが、2000年代に入ると一転、黒陶のオブジェに転向。国内外の公募展で受賞を重ね、注目を集めました。
宮崎県延岡市に生まれたタカモリは、文化の香り高い家庭で育ちましたが、戦後まもない日本はまだ貧しく、鮮烈に残る幼少期から青年期までの記憶が、色濃く作品に現れていきます。1974年からアメリカを拠点とし、絵画的要素の強い独自の陶芸作品をメインに、絵画やドローイング、版画なども手掛け、欧米を中心に高い評価を受けました。
彼らの作品には、近年、あまり光が当てられていませんでしたが、是非とも今、知っていただきたい優れた作家たちばかりです。三人三様のユニークな陶芸作品を通して、日本の現代陶芸の奥行きを感じ取っていただけましたら幸いです。