土と語る、森の中の美術館 兵庫陶芸美術館 The Museum of Ceramic Art, Hyogo

展覧会情報

会期:2023年3月18日(土)~5月28日(日)

特別展丹波の茶道具 茶の湯を彩る兵庫のやきもの

左:丹波 「灰釉手桶形水指」 江戸時代前期 兵庫陶芸美術館
右上段:丹波 「茶碗 銘 朝路野」 江戸時代前期 丹波古陶館
右下段:丹波 「茶入 銘 生埜」 江戸時代前期 湯木美術館

 中世を通じて無釉の焼締陶器の生産に終始した丹波焼は、近世をむかえると新たな展開を見せます。赤土部や灰釉などの装飾技法で器面を彩り、文化や経済の中心地である上方に向けたやきものを生産していきます。こうした地域で茶の湯が流行すると、他の産地と同様に丹波でも茶道具を作り始めます。水指や花入、茶入や茶碗など、趣向を凝らした茶陶とともに、茶葉を入れる耳付の壺が数多く生み出されました。
 丹波の茶道具には、工具で素朴な文様を施したものや端正な形状のもの、別の素材で作られた茶道具の姿形を写したものなど、当時の流行や茶人の好みが反映されています。また、暮らしの中で用いる壺や桶が茶の湯に適した道具として茶人に取り上げられ、茶道具に見立てられたものもあります。
 本展では、各時代の茶人に受け継がれ、愛蔵されてきた丹波の茶道具の魅力に迫ります。加えて、展示室内に茶室の空間を再現し、県下の諸窯で焼かれたさまざまな茶道具を取り合わせて、茶の湯の世界の一端を紹介します。

 

展覧会の特徴

(1)丹波の茶道具の造形と技法に注目

 丹波焼の茶陶には、持ち手が付いた木製の桶を模した水指(みずさし)や木製の曲物(まげもの)の形を忠実に写し取ろうとした建水(けんすい)など、他の素材で作られた茶道具の姿形(すがたかたち)をやきもので表現したものが見られます。それら茶道具には、細部を忠実に表現するために器体に粘土を貼付けて箍(たが)を表現したものや灰釉(かいゆう)を施釉したものがあります。丹波では、江戸時代以降、赤土部(あかどべ)や灰釉を用いた器面装飾が行われ、多様な茶陶が作られました。

 

(2)名物の茶道具をその仕覆や箱とともに紹介

 大正時代に著わされた『大正名器鑑』(たいしょうめいきかん)には、「茶入 銘 生埜」(ちゃいれ めい いくの)を筆頭に「茶入 銘 山桜」(ちゃいれ めい やまざくら)や「茶碗 銘 鬼ヶ城」(ちゃわん めい おにがじょう)が丹波の名物として紹介されています。それらには、所蔵者が変わる度に道具を納める箱や仕覆(しふく)、書付(かきつけ)などが新たに加えられています。本展では、丹波の名物道具とともに格式ある茶道具の由緒や伝来を辿ります。

 

(3)展示室内に茶室を再現

 茶会の席では、掛軸や花入、香合が床(とこ)に飾られ、茶碗や茶入、水指が茶席を彩っています。当館の所蔵作品を中心に兵庫県の諸窯で生み出されたやきものの茶道具を取り合わせて、展示室内に濃茶の席、薄茶の席、懐石の席をそれぞれ再現しました。茶席を彩る器の数々を茶会の雰囲気とともにお楽しみください。

概要

展覧会名 丹波の茶道具 茶の湯を彩る兵庫のやきもの
Tamba tea utensils:Hyogo ceramics that colors the tea ceremony
会期 2023年3月18日(土)~5月28日(日)
休館日 月曜日
開館時間 10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
出品点数 約80件
会場 兵庫陶芸美術館 展示棟 展示室1・2・4・5
観覧料
  個人
Individual
団体
Group
夜間(17:00~)
Evening
一般
Adult
¥1,200 ¥900 ¥600
大学生
University/College
¥900 ¥700 ¥450

・高校生以下は無料です。

・20名以上の場合は団体割引料金になります。

・70歳以上の方は半額になります。

・障害のある方は75%割引、その介助者1名は無料になります。

・17:00以降に観覧される場合は夜間割引料金になります。

 

・Free admission for  High / Junior high / Elementary school students and Preschool-age children.

・Group : 20 or more people.

・Half price for visitors aged 70 or older. (Show identification proving your age)

・Discount admission for one with disabilities, and free admission for one caregiver. (Show identification notebook for the disabled)

・Evening discount admission: from 17:00.


主催
兵庫陶芸美術館、神戸新聞社
後援
兵庫県、兵庫県教育委員会、丹波篠山市、丹波篠山市教育委員会、丹波市、丹波市教育委員会、公益財団法人 兵庫県芸術文化協会、公益財団法人 兵庫県国際交流協会
協力
丹波立杭陶磁器協同組合
特別協力
兵庫県茶道協会   【助成】令和4年度地域ゆかりの文化資産を活用した展覧会支援事業

主な出品作品

1.丹波 「灰釉手桶形水指」 江戸時代前期 兵庫陶芸美術館

2.丹波 「茶碗 銘 朝路野」 江戸時代前期 丹波古陶館

3.丹波 「茶入 銘 山桜」 江戸時代前期 泉屋博古館東京

4.丹波 「茶碗 銘 鬼ヶ城」 江戸時代前期 公益財団法人阪急文化財団 逸翁美術館

5.丹波 「擂座花入」 桃山時代~江戸時代初期 東京国立博物館 Image: TNM Image Archives

6.丹波 「赤土部灰釉水指 銘 南蛮頭巾」 江戸時代前期 野村美術館

7.丹波 「灰釉四方形水指」 江戸時代前期 丹波古陶館

8.丹波 「茶碗 銘 橋立」 江戸時代前期 個人蔵

9.丹波 「擂鉢」 江戸時代前期 東京国立博物館 Image: TNM Image Archives

10.丹波 「灰釉四耳壺」 江戸時代前期 兵庫陶芸美術館

関連企画

TAMBA茶会

  • 日時:4月8日(土):裏千家流 4月9日(日):小笠原流煎茶道 5月13日(土):武者小路千家流 5月14日(日):表千家流 ※各日10時~16時(予定)
  • 場所:当館茶室「玄庵」
  • 参加費:各日異なります
詳細はこちら
詳細はこちら(PDF)

【受付終了】丹波焼の抹茶茶碗づくり 受講者募集!

  • 日時:2023年3月25日(土)ギャラリートーク、オリエンテーション             作陶(成形)    3月26日(日)作陶(作品仕上げ)    4月23日(日)焼成    4月30日(日)窯出し、講評、茶会 ※時間帯は、いずれも原則10:00~16:00 ※日程は、都合により変更になる場合があります。
  • 講師:二代 市野 信水氏、陶芸指導員、学芸員
  • 場所:兵庫陶芸美術館 工房・展示棟(3月25日、26日) 信水窯(4月23日、30日)
  • 定員:20名(事前申込制にて、希望者多数の場合は抽選 ※結果は郵送)
  • 参加費:18,000円(材料費・作陶指導料・焼成費・観覧料・茶会代等含む。) ※支払いは2回となります。(3月:5,000円、4月:13,000円)
詳細はこちら
詳細はこちら(PDF)
WEB申込はこちら

【電話・FAXのみ受付】記念講演会「茶の湯の歴史」

  • 日時:2023年4月15日(土)13:30 ~15:00
  • 講師:降矢哲男氏(京都国立博物館調査・国際連携室長)
  • 場所:兵庫陶芸美術館 研修棟1階 セミナー室
  • 定員:110名(事前申込制、先着順)
  • 参加費:無料 ※ただし、本展の観覧券(半券可)が必要です。
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【関連イベント】

◆ギャラリートーク:「当館学芸員による展示解説」

日時: 3月18日(土)、4月8日(土)、5月13日(土)、5月27日(土)

いずれも11:00から1時間程度

※観覧券が必要です。

 

※各イベントに関する詳細は、お問い合わせください。

※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、展覧会を含め、各イベントにつきましては変更・中止となる場合があります。最新情報は、当館ホームページをご確認いただくか、お問い合わせください。

図録

257×182mm(B5)   144ページ   ¥1500(税込)


同時開催

テーマ展:丹波焼の世界 season7

2023年3月11日(土)~2024年2月25日(日)

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