土と語る、森の中の美術館 兵庫陶芸美術館 The Museum of Ceramic Art, Hyogo

展覧会情報

会期:2024年3月16日(土)~5月26日(日)

特別展フィンランド・グラスアート-輝きと彩りのモダンデザイン- / ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展-食べること、共に生きること-

ティモ・サルパネヴァ 《カヤック[3867]》(部分) 1954年 イッタラ・ガラス製作所 コレクション・カッコネン Photo:Rauno Träskelin

 機能的でありながら洗練された美しさを誇る北欧フィンランドの家具や陶磁器、ガラスなどのプロダクトは、世界中の人々に愛され、私たちの生活に心地よい調和と潤いを与えてくれます。
 1917年、ロシアから独立したフィンランドでは、ナショナリズムが高まる中、新しい国づくりと国民のアイデンティティを回復するための手段として、モダニズムを推し進めていきました。ガラスも例外ではなく、1930年代、ミラノ・トリエンナーレや万国博覧会などの国際展示会を見据えた国内コンペティションが開催されると、第二次世界大戦後、国家の復興をかけてその機会はますます増えていき、国際舞台への切符を求めて、若きデザイナーたちが切磋琢磨していきました。そして1950年代、フィンランドの風土を反映したフィンランド・グラスアートは国際的に高い評価を得て、世界のデザイン界にその名を知らしめました。
 本展では、1930年代から現代まで、8名の著名なデザイナーや作家たちが、「アートグラス」と銘打って制作した芸術性溢れるガラス作品約130件によって、フィンランド・グラスアートの系譜を辿ります。さらに、フィンランド発祥の世界的なキャラクター「ムーミン」の「食」をテーマとした原画等を紹介する展覧会も同時開催し、素朴でありながら、豊かな自然の恵みを大切にするフィンランドの人々の暮らしや生き方について、ムーミンの物語から紐解いていきます。森に囲まれ、自然豊かなやきものの里で、日本人にも親しみの深いフィンランドの芸術と文化に触れる機会を目指します。

展覧会の特徴

1
フィンランドがデザイン先進国として国際的な評価を得るのに大きく貢献したガラス作品。本展は、1930年代から現代まで、フィンランドを代表する8名のデザイナー・作家たちが「アートグラス」と銘打って制作した芸術性の高いプロダクト、あるいはユニークピースに焦点を当てた初めての展覧会です。出品作品はすべて、世界的に有名なガラスコレクションを誇るフィンランドの「コレクション・カッコネン」より借用しています。

2
デザイナーや作家が制作現場に立会い、高い技術力を誇る一流の職人たちとの協働により生まれた当時のヴィンテージピース、あるいは現在活躍中の作家による近作まで、フィンランドの風土を反映した美しく、ユニークなガラス作品が揃います。プロダクト製品にはない、作者の様々な試みや美意識が感じられ、ガラスならではの光と色彩の競演も見どころの一つとなっています。

3
2019年に埼玉県飯能市に開設されたムーミンバレーパーク内の展示施設「KOKEMUS」での企画展「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展-食べること、共に生きること-」(2021~2022年)の一部再現展示です。ムーミン谷の仲間たちの、素朴ながらも、思いやりに満ちた生き方に触れ、フィンランドの人々の暮らしや自然観を知ることができます。

出品作家

アルヴァ&アイノ・アアルト Alvar&Aino AALTO

グンネル・ニューマン Gunnel NYMAN

カイ・フランク Kaj FRANCK

タピオ・ヴィルッカラ Tapio WIRKKALA

ティモ・サルパネヴァ Timo SARPANEVA

オイヴァ・トイッカ Oiva TOIKKA

マルック・サロ Markku SALO

ヨーナス・ラークソ Joonas LAAKSO

※本展における作家名・作品名および関係機関名称の一部は、イッタラの表記とは異なる場合があります。

概要

展覧会名 フィンランド・グラスアート-輝きと彩りのモダンデザイン- / ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展-食べること、共に生きること-
Finnish Glass Art ;Sparkle and Color in Modern Design / Convivial Life at Moomin's Table ;Eating and Sharing Nature's Bounty
会期 2024年3月16日(土)~5月26日(日)
休館日 月曜日(ただし、4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館、4月30日(火)、5月7日(火)は閉館)
開館時間 10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
出品点数 フィンランド・グラスアート約130件
会場 兵庫陶芸美術館 展示室2・4・5
観覧料
  個人
Individual
団体
Group
夜間(17:00~)
Evening
一般
Adult
¥1,500 ¥1,200 ¥700
大学生
University/College
¥1,100 ¥800 ¥500

・「フィンランド・グラスアート」「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展」との共通観覧券のみ販売。

・高校生以下は無料です。

・20名以上の場合は団体割引料金になります。

・70歳以上の方は半額になります。

・障害のある方は75%割引、その介助者1名は無料になります。

・17:00以降に観覧される場合は夜間割引料金になります。

 

・Only common admission ticket with "Finnish Glass Art" and "Convivial Life at Moomin's Table"

・Free admission for High / Junior high / Elementary school students and Preschool-age children.

・Group : 20 or more people.

・Half price for visitors aged 70 or older.(Show identification proving your age)

・Discount admission for one with disabilities, and free admission for one caregiver. (Show identification notebook for the disabled)

・Evening discount admission: from 17:00.


主催
兵庫陶芸美術館、神戸新聞社 【共催】S2株式会社
後援
フィンランド大使館、フィンランドセンター、兵庫県、兵庫県教育委員会、 丹波篠山市、丹波篠山市教育委員会、丹波市、丹波市教育委員会、 公益財団法人 兵庫県芸術文化協会、公益財団法人 兵庫県国際交流協会
協力
丹波立杭陶磁器協同組合 【協賛】フィンエアー、フィンエアーカーゴ、イッタラ
特別協力
コレクション・カッコネン

主な出品作品

1. アルヴァ&アイノ・アアルト《アアルト・フラワー[3031,3032,3033,3034]》 1939年 カルフラ/イッタラ・ガラス製作所

2. グンネル・ニューマン《ストリーマー[GN18]》 1947年 ヌータヤルヴィ・ガラス製作所

3. カイ・フランク《アートグラス、ユニークピース》 1970年代前半 ヌータヤルヴィ・ガラス製作所

4. ティモ・サルパネヴァ《カヤック[3867]》1954年 イッタラ・ガラス製作所

5. ティモ・サルパネヴァ《グラスブロック(眠れる鳥)》 1960年 イッタラ・ガラス製作所

6.  マルック・サロ《アートグラス、ユニークピース》 2017年 ラシコンッパニア

7.  ヨーナス・ラークソ《リコリスみたい》 2012、2013年 ラシスミ

すべてコレクション・カッコネン、 Photo:Rauno Träskelin

関連企画

【受付終了】再生アートに挑戦!ーガラスとやきもの-受講者募集

  • 日時:2024年4月20日(土)10:00~15:00
  • 講師:陶芸指導員、学芸員
  • 場所:当館エントランス棟1階 工房
  • 定員:20名(事前申込制、定員を超えた場合は抽選)
  • 参加費:3,000円(材料費、観覧料等を含む。)
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記念講演会「フィンランド・グラスアートの魅力」

  • 日時:2024年3月16日(土)13:30~15:00(開場は13:00)
  • 講師:土田ルリ子氏 (富山市ガラス美術館館長/本展監修者)
  • 場所:兵庫陶芸美術館 研修棟1階 セミナー室
  • 定員:110名(事前申込制、先着順)
  • 参加費:無料 ※ただし観覧券の半券が必要です。
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◆当館学芸員によるギャラリートーク

 [日時]2024年3月30日(土)、4月13日(土)、4月27日(土)、5月4日(土・祝)、5月18日(土)

 いずれも11:00から1時間程度

 ※観覧券が必要です。