土と語る、森の中の美術館 兵庫陶芸美術館 The Museum of Ceramic Art, Hyogo

展覧会情報

会期:2016年3月19日(土)~2016年6月5日(日)

特別展明治有田 超絶の美 -万国博覧会の時代-

(写真左より)有田 染付蒔絵富士山御所車文大花瓶 1873(明治6)年 有田ポーセリンパーク ウィーン万博出品作
香蘭社 染付青磁陽刻雲鶴文耳付大花瓶 1910(明治43)年~1920年代 公益財団法人鍋島報效会
精磁会社 色絵鳳凰花唐草文透彫大香炉 1879(明治12)年~1897(明治30)年頃 個人蔵
写真提供:世界文化社

江戸時代初期、日本で最初に磁器づくりに成功した有田では、国内にとどまらず、ヨーロッパ各国の王侯貴族を魅了する華やかで精緻な製品を数多く制作してきました。江戸幕府の終焉とともに明治時代が始まると、有田焼は明治政府により殖産興業製品として位置づけられ、政府が作成した「温知図録(おんちずろく)」などの新図案をもとに、革新的な有田焼が創出されます。このような作品は、1873(明治6)年のウィーン万国博覧会をはじめ、世界各国で開催された博覧会で高い評価を受けました。巨大な花瓶や再現不可能と言われる細密描写には、明治というエネルギッシュな時代の雰囲気が表れています。

本展では、明治時代の有田をリードした香蘭社や精磁会社を中心に、万国博覧会への出品作品や皇族・華族が使用した洋食器、それらの元となった図案類など計154件を展示し、明治有田の超絶の美を紹介します。

なお、当館は本巡回展における関西唯一の会場となります。

展覧会公式サイト[外部サイト]

展覧会の特徴

(1) 明治の「クール・ジャパン」

明治維新後の新政府は、陶磁器などの工芸品を重要な輸出品として位置付けたため、有田では欧米向けの大きさ・形・デザインによる花瓶や大皿などが作られ、1873(明治6)年のウィーン万国博覧会をはじめ、世界各国で開催された博覧会で高い評価を受けました。全て手描きとは信じられないような、細密かつ正確無比な絵付けや、わずか数㎜の高低差を付けた透かし彫りによる文様は、まさに「超絶」そのもので、海外へ打って出ようとするエネルギッシュな時代の雰囲気が感じられます。

(2) 最新の研究成果を反映

欧米の万国博覧会に出品された作品3点をはじめ、ここ2、30年の間に海外で再発見されて日本に里帰りした作品を多数公開します。また、近年再調査された作品の図案と、その図案と一致する作品とを比較展示するなど、明治時代の有田焼に関する研究の最前線を紹介します。さらに、もと福岡の柳川藩主であった立花伯爵家の洋館で用いられた洋食器について、テーブルコーディネートによる展示を行ないます。

(3) 関西で唯一の会場

昨年9月そごう美術館(横浜)を皮切りに、全国7会場を巡回している本展は、当館が3会場目で関西唯一の会場となります。明治時代を中心とした近代の有田焼を100点以上まとめて見られる機会は、昭和58年に佐賀県立九州陶磁文化館で行われて以来、およそ30年ぶりとなります。

概要

展覧会名 特別展 明治有田 超絶の美 -万国博覧会の時代-
The Compelling Beauty of Arita Ceramics in the Age of the Great International Expositions
会期 2016年3月19日(土)~2016年6月5日(日)
休館日 月曜日
ただし3月21日(月・振休)、5月2日(月)は開館し、
3月22日(火)、5月6日(金)は休館
開館時間 3月31日(木)まで:10:00~18:00
4月1日(金)~6月5日(日):10:00~19:00
*ただし4月29日(金・祝)から5月5日(木・祝)までは10:00~21:00
(入館はいずれも閉館時間の30分前まで)
会場 兵庫陶芸美術館 展示棟 展示室1、2、4、5
観覧料
  個人
Individual
団体
Group
夜間(17:00~)
Evening
一般
Adult
¥1,000 ¥800 ¥500
大学生
University/College
¥800 ¥600 ¥400
高校生
High school
¥500 ¥400 ¥250
  • 20名以上の場合は団体割引料金になります。
  • 中学生以下は無料です。
  • 65歳以上の方は半額になります。
  • 障害のある方は半額。その介助者の方1名は無料となります。
  • 前売り券はローソンチケット、ミニストップ(Lコード 57568)、セブンイレブン(店頭マルチコピー機セブンチケットより)で2016年6月4日(土)まで販売しています。
  • Group : 20 or more people.(Show identification notebook for the disabled)
  • Free admission for junior high / Elementary school students.
  • Half price for visitors aged 65 or older. (Show identification proving your age)
  • Half price for visitors with physical disabilities, and free admission for one accompanying person.

 (Show identification notebook for the disabled)

  • Evening: from 5:00 p.m.
  • Advance tickets on sale until June 4 (Sat.), 2016.
  • Advance tickets are available through Lawson Tickets (Lawson and Mini-stop, L code: 57568), Seven Tickets (Seven-Eleven). (These service are only available in Japanese.)

主催
兵庫陶芸美術館 神戸新聞社
後援
佐賀県、有田町、兵庫県、兵庫県教育委員会、篠山市、篠山市教育委員会、丹波市、丹波市教育委員会、(公財)兵庫県芸術文化協会、(公財)兵庫県国際交流協会
協力
有田ポーセリンパーク、香蘭社、佐賀県立九州陶磁文化館、丹波立杭陶磁器協同組合
特別協力
世界文化社
展示協力
江上料理学院
企画協力
西日本新聞社

主な出品作品

  1. 香蘭社 色絵有職文耳付大壺 1875(明治8)年~1880年代 個人蔵
  2. 精磁会社 色絵鳳凰花唐草文透彫大香炉 1879(明治12)年~1897(明治30)年頃  個人蔵
  3. 深川栄左衛門 色絵牡丹唐草鳳凰文大花瓶 1870年代 有田ポーセリンパーク蔵
  4. 香蘭社  染付青磁陽刻雲鶴文耳付大花瓶 1910(明治43)年~1920年代 公益財団法人鍋島報效会蔵
  5. 香蘭社 色絵獅子牡丹文大皿1875(明治8)年 個人蔵
  6. 香蘭社 染付藤文洋食器 1910(明治43)年頃 公益財団法人立花家史料館蔵

以上6点写真提供:世界文化社

関連企画

記念講演会「香蘭社に秘蔵された図案 ~明治有田のデザインの謎に迫る!~」

  • 日時:2016年4月30日(土)14:00~15:30(開場13:30)
  • 講師:森谷美保氏(美術史家・本展企画担当者)
  • 場所:当館研修棟1階セミナー室
  • 定員:110名(事前申込制・先着順)
  • 参加費:無料(ただし展覧会チケットの半券が必要)
詳細はこちら
詳細はこちら(PDF)

特別展「明治有田 超絶の美 ―万国博覧会の時代―」 関連ワークショップ 色絵付に挑戦!

  • 日時:平成28年4月23日(土)
  • 講師:陶芸作家:髙橋亜希氏
詳細はこちら
詳細はこちら(PDF)
WEB申込はこちら

gt02当館学芸員によるギャラリートーク

平成28(2016)年3月26日(土)、4月9日(土)、4月23日(土)、5月7日(土)、5月21日(土)、6月4日(土)いずれも11時より一時間程度(当展覧会チケットが必要です)

図録

184×240mm  207ページ   ¥2,640(税込)

B5変形版
*世界文化社より商業出版物として刊行。
*展覧会初日より会場にて販売中です。
*書店でも販売しております。


182×240mm  93ページ   ¥648(税込)

B5変形版
*西日本新聞社より刊行。
*展覧会初日より会場にて販売中です。


同時開催

テーマ展:色絵よもやま話 -兵庫のやきものから-

2016年3月8日(火)~2016年6月26日(日)

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