江戸時代初期、日本で最初に磁器づくりに成功した有田では、国内にとどまらず、ヨーロッパ各国の王侯貴族を魅了する華やかで精緻な製品を数多く制作してきました。江戸幕府の終焉とともに明治時代が始まると、有田焼は明治政府により殖産興業製品として位置づけられ、政府が作成した「温知図録(おんちずろく)」などの新図案をもとに、革新的な有田焼が創出されます。このような作品は、1873(明治6)年のウィーン万国博覧会をはじめ、世界各国で開催された博覧会で高い評価を受けました。巨大な花瓶や再現不可能と言われる細密描写には、明治というエネルギッシュな時代の雰囲気が表れています。
本展では、明治時代の有田をリードした香蘭社や精磁会社を中心に、万国博覧会への出品作品や皇族・華族が使用した洋食器、それらの元となった図案類など計154件を展示し、明治有田の超絶の美を紹介します。
なお、当館は本巡回展における関西唯一の会場となります。
明治維新後の新政府は、陶磁器などの工芸品を重要な輸出品として位置付けたため、有田では欧米向けの大きさ・形・デザインによる花瓶や大皿などが作られ、1873(明治6)年のウィーン万国博覧会をはじめ、世界各国で開催された博覧会で高い評価を受けました。全て手描きとは信じられないような、細密かつ正確無比な絵付けや、わずか数㎜の高低差を付けた透かし彫りによる文様は、まさに「超絶」そのもので、海外へ打って出ようとするエネルギッシュな時代の雰囲気が感じられます。
欧米の万国博覧会に出品された作品3点をはじめ、ここ2、30年の間に海外で再発見されて日本に里帰りした作品を多数公開します。また、近年再調査された作品の図案と、その図案と一致する作品とを比較展示するなど、明治時代の有田焼に関する研究の最前線を紹介します。さらに、もと福岡の柳川藩主であった立花伯爵家の洋館で用いられた洋食器について、テーブルコーディネートによる展示を行ないます。
昨年9月そごう美術館(横浜)を皮切りに、全国7会場を巡回している本展は、当館が3会場目で関西唯一の会場となります。明治時代を中心とした近代の有田焼を100点以上まとめて見られる機会は、昭和58年に佐賀県立九州陶磁文化館で行われて以来、およそ30年ぶりとなります。
展覧会名 | 特別展 明治有田 超絶の美 -万国博覧会の時代- The Compelling Beauty of Arita Ceramics in the Age of the Great International Expositions |
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会期 | 2016年3月19日(土)~2016年6月5日(日) |
休館日 | 月曜日 ただし3月21日(月・振休)、5月2日(月)は開館し、 3月22日(火)、5月6日(金)は休館 |
開館時間 | 3月31日(木)まで:10:00~18:00 4月1日(金)~6月5日(日):10:00~19:00 *ただし4月29日(金・祝)から5月5日(木・祝)までは10:00~21:00 (入館はいずれも閉館時間の30分前まで) |
会場 | 兵庫陶芸美術館 展示棟 展示室1、2、4、5 |
個人 Individual |
団体 Group |
夜間(17:00~) Evening |
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一般 Adult |
¥1,000 | ¥800 | ¥500 |
大学生 University/College |
¥800 | ¥600 | ¥400 |
高校生 High school |
¥500 | ¥400 | ¥250 |
(Show identification notebook for the disabled)
以上6点写真提供:世界文化社
平成28(2016)年3月26日(土)、4月9日(土)、4月23日(土)、5月7日(土)、5月21日(土)、6月4日(土)いずれも11時より一時間程度(当展覧会チケットが必要です)
184×240mm 207ページ
¥2,640(税込)
B5変形版
*世界文化社より商業出版物として刊行。
*展覧会初日より会場にて販売中です。
*書店でも販売しております。
182×240mm 93ページ
¥648(税込)
B5変形版
*西日本新聞社より刊行。
*展覧会初日より会場にて販売中です。
2016年3月8日(火)~2016年6月26日(日)
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