土と語る、森の中の美術館 兵庫陶芸美術館 The Museum of Ceramic Art, Hyogo

展覧会情報

会期:2016年9月10日(土)~2016年11月27日(日)

特別展セラミックス・ジャパン -陶磁器でたどる日本のモダン-

《帝国ホテルライト館洋食器》制作:日本陶器 1955-67(昭和30-42)年/デザイン:フランク・ロイド・ライト 1922(大正11)年頃 個人蔵
《タイル》淡陶株式会社他 20世紀前期(明治時代晩期-昭和時代初期) 個人蔵
《秩父宮邸陶器製装飾電燈台》陶磁器試験場 1927(昭和2)年 滋賀県信楽窯業技術試験場蔵

 近代の日本で作られた陶磁器のデザインを概観する初めての展覧会を開催します。

 日本の近代陶磁のデザインは、同時代の国内外の動向や芸術様式に呼応して、多様な変化を遂げてきました。

 幕末から明治時代初期にかけて、日本の工芸品は万国博覧会などへの出品によって一躍脚光を浴び、西洋ではジャポニスムが沸き起こりました。それを受けて、国内各地の窯業地では、武者図や花鳥図のような日本の伝統的な意匠が、上絵付や金彩によって色彩豊かに描かれました。それらの製品は、欧米を中心に海外に輸出され、後にアール・ヌーヴォーが大流行するきっかけとなりました。

 明治時代後期の日本では、曲線の多用を特徴としたこの芸術様式に影響を受けて、陶磁器でも新たなデザインの研究が盛んになりました。

 大正時代以降は、デザインはさらに多彩となりました。この頃、陶芸家によって暮らしに彩りを添えるための陶磁器がデザインされ、そこには、西洋の模倣ではなく、制作者の個性が大きく反映されました。また一方で、この頃には陶磁器メーカーが台頭し、国内外向けの製品が量産されました。なかでも、オールド・ノリタケと呼ばれている日本陶器の製品は、時流をたくみに捉えて、アール・ヌーヴォーやアール・デコ様式のデザインを取り入れ、国内の陶磁器メーカーにも大きな影響を与えました。

 本展では、明治維新から第二次世界大戦までの約70年間にデザインされた、食器をはじめとした幅広い用途の陶磁器を紹介します。「明治・大正・昭和 レトロでモダン」な魅力あふれる数々のデザインをお楽しみ下さい。

展覧会の特徴

(1)日本の近代に作られた陶磁器のデザインを紹介

 明治維新から第二次世界大戦までの約70年間の陶磁器デザインを振り返ります。明治時代前期の技巧を凝らした豪華絢爛なデザインや、明治時代後期のアール・ヌーヴォーの影響を受けた流麗なデザイン。さらには、大正時代に見られる、直線を多用したアールデコなど、デザインの変遷をお楽しみ下さい。

 

(2)陶磁器メーカーによる産業陶磁や陶芸家による日常の陶磁器に注目

 これまで近代の陶磁史では、明治時代の輸出向け陶磁器に続いて、明治時代末期頃に登場する、陶芸家の芸術作品を取り上げることが一般的でした。本展では、これまであまり表舞台に登場することがなかった、今日まで連綿と続く陶磁器メーカーによる産業陶磁や陶芸家による日常の陶磁器に注目してご紹介します。

 

(3)幅広い用途の陶磁器が楽しめる展覧会

 ディナーセットやコーヒーセットなどの食器をはじめ、香水瓶、煙草セット、照明器具、そしてタイルやブロックのような建材など、幅広い用途の製品をご紹介します。明治・大正・昭和の人々のくらしを彩った、レトロでモダンな陶磁器がご覧いただけます。

概要

展覧会名 セラミックス・ジャパン -陶磁器でたどる日本のモダン-
Ceramics Japan: Tracing Japanese Modern throgh Ceramics
会期 2016年9月10日(土)~2016年11月27日(日)
休館日 月曜日
ただし9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)は開館。
9月20日(火)、10月11日(火)は休館。
開館時間 10月30日(日)まで:10:00~19:00
11月1日(火)から:10:00~18:00
(入館はいずれも閉館時間の30分前まで)
会場 兵庫陶芸美術館 展示棟 展示室1、2、4、5
観覧料
  個人
Individual
団体
Group
夜間(17:00~)
Evening
一般
Adult
¥1,000 ¥800 ¥500
大学生
University/College
¥800 ¥600 ¥400
高校生
High school
¥500 ¥400 ¥250
  • 20名以上の場合は団体割引料金になります。
  • 中学生以下は無料です。
  • 65歳以上の方は半額になります。
  • 障害のある方は半額。その介助者1名は無料になります。
  • 特別割引はローソンチケット・ミニストップ(Lコード 52151)、セブンイレブン(店頭マルチコピー機セブンチケットより)で11月26日(土)まで販売しています。
  • Group : 20 or more people.(Show identification notebook for the disabled)
  • Free admission for junior high / Elementary school students.
  • Half price for visitors aged 65 or older. (Show identification proving your age)
  • Half price for visitors with physical disabilities, and free admission for one accompanying person.

 (Show identification notebook for the disabled)

  • Evening: from 5:00 p.m.
  • discount tickets on sale until November 26 (Sat.), 2016.
  • discount tickets are available through Lawson Tickets (Lawson and Mini-stop, L code: 52151), Seven Tickets (Seven-Eleven). (These service are only available in Japanese.)

主催
兵庫陶芸美術館、朝日新聞社
後援
兵庫県、兵庫県教育委員会、篠山市、篠山市教育委員会、丹波市、丹波市教育委員会、(公財)兵庫県芸術文化協会、(公財)兵庫県国際交流協会
協力
丹波立杭陶磁器協同組合

主な出品作品

1.《菊文様皿》図案:浅井忠/制作:清水六兵衛(四代) 1907(明治40)年 

 京都工芸繊維大学美術工芸資料館蔵(AN.5461)

2.《白磁貼花菊文籠形壺》出石磁器会社 20世紀初(明治時代後期) 

 兵庫陶芸美術館蔵(田中寛コレクション)

3.《生命の樹》バーナード・リーチ 1928(昭和3)年 

 京都国立近代美術館蔵

4.《紅茶セット》制作:陶磁器試験所/デザイン:内田邦夫 1937(昭和12)年 

 愛知県陶磁美術館管理(産業技術総合研究所蔵)

5.《上絵金彩花鳥図皿》神陶会社 19世紀後期-20世紀前期(明治時代後期) 

 個人蔵

6. 《蒔絵蝕プラタナス文ベリーセット》制作:大蔵陶園/デザイン:日野厚 1925-29(大正14-昭和4)年 

 個人蔵

関連企画

記念講演会「デザインありてこそ-焼物から窯業へ」

  • 日時:2016年9月10日(土)14:00~15:30(開場は13:30)
  • 講師:森 仁史氏(本展監修者、金沢美術工芸大学 柳宗理記念デザイン研究所)
  • 場所:兵庫陶芸美術館 研修棟1階セミナー室
  • 定員:110名(事前申込制)
  • 参加費:無料(ただし観覧券の半券が必要です)
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記念講演会「オールド・ノリタケにみる日本のモダン」

  • 日時:2016年10月1日(土)14:00~15:30(開場は13:30)
  • 講師:井谷 善惠氏(東京藝術大学グローバルサポートセンター特任教授)
  • 場所:兵庫陶芸美術館 研修棟1階セミナー室
  • 定員:110名(事前申込制)
  • 参加費:無料(ただし観覧券の半券が必要です)
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コンサート「みみで感じるれきしのロマン ~アンティーク・オルゴール&蓄音機コンサート~」

  • 日時:2016年11月12日(土) 13:30~、14:30~、15:30~ (各回15分程度)
  • 講師:大松 ゆみ氏(六甲オルゴールミュージアム副館長)
  • 場所:兵庫陶芸美術館 展示棟1階エントランス
  • 参加費:無料(ただし観覧券が必要です)
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【当日受付あり】ワークショップ「オリジナルデザインを彫ろう~タイルのMyコースター~」

  • 日時:2016年9月18日(日)13:30~16:30
  • 場所:兵庫陶芸美術館 工房、展示棟
  • 定員:20名
  • 参加費:2,000円
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こどもわーくしょっぷ「むかしのデザイン らくがき・らくやきマグネット」

  • 日時:2016年9月22日(木・祝) 10:30~、13:00~、15:00~(各回1時間15分程度)
  • 場所:兵庫陶芸美術館 エントランス棟1階工房
  • 定員:各回15名(事前申込制、応募者多数の場合は抽選)
  • 参加費:300円
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詳細はこちら(PDF)

gt02当館学芸員によるギャラリートーク

9月24日(土)、10月8日(土)、10月22日(土)、11月5日(土)、11月19日(土)

いずれも11:00より1時間程度(当展覧会チケットが必要です)

図録

182×297mm  203ページ   ¥1,700(税込)

A4変形版

*展覧会初日より会場にて販売いたします。


同時開催

テーマ展:涼しげなやきもの

2016年7月2日(土)~2016年10月16日(日)

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テーマ展:2016年度 著名作家招聘事業 「林康夫-芸術への希求、陶で挑む」

2016年10月22日(土)~2017年2月12日(日)

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